日本政策金融公庫の創業融資を検討している方の中には、
「申し込んでから、どのような流れで審査されるのか」
「審査結果が出るまで何週間くらいかかるのか」
「開業日に間に合わせるには、いつ申し込めばよいのか」
と気になっている方も多いのではないでしょうか。
創業時には、店舗の契約や設備の購入、仕入、人材の採用など、資金が必要になる時期がある程度決まっています。そのため、融資を受けられるかどうかだけでなく、「いつ頃融資が実行されるのか」を考えて準備することも重要です。
この記事では、日本政策金融公庫の創業融資について、申込みから面談、審査、契約、入金までの流れと審査期間の目安をわかりやすく解説します。
1.日本政策金融公庫の創業融資の流れ
日本政策金融公庫の創業融資は、おおむね次のような流れで進みます。
段階 | 主な内容 |
①事前準備 | 創業計画や必要資金、自己資金などを整理 |
②融資申込み | インターネット・郵送から申込み・必要書類を提出 |
③面談 | 担当者から事業計画や資金使途などについて確認 |
④審査 | 創業計画、資金計画、経験などを総合的に確認 |
⑤融資決定 | 融資の可否や融資条件が決定 |
⑥契約 | 融資契約に必要な手続きを行う |
⑦融資実行 | 指定した金融機関の口座に融資金が振り込まれる |
「申込みをしたらすぐ審査結果が出る」というものではありません。
申込み前の準備から実際の入金までを一つのスケジュールとして考えておくことが大切です。
2.申込み前に創業計画と必要書類を準備する
最初に行うのが、創業計画と必要書類の準備です。
創業時の申込みでは、一般的に創業計画書を作成し、
・どのような事業を行うのか
・なぜその事業を始めるのか
・これまでにどのような経験があるのか
・誰を顧客として、どのように売上を作るのか
・いくらの資金が必要なのか
・その資金を何に使うのか
といった内容を整理します。
設備資金を申し込む場合には、設備などの見積書も必要になります。
法人で申し込む場合には履歴事項全部証明書など、業種によって許認可が必要な場合には許認可関係の資料を求められることもあります。
この段階で創業計画書と他の資料の数字や内容に食い違いがないよう、事前に確認しておきましょう。
3.日本政策金融公庫へ融資を申し込む
準備ができたら、日本政策金融公庫へ融資を申し込みます。
現在は国民生活事業の事業資金融資について、インターネットから24時間365日申込みができます。
郵送での申込みをすることもできます。
申込みと必要書類の提出が完了すると、公庫側で内容が確認され、担当者から面談などについて連絡があります。
なお、法人で創業する場合、日本政策金融公庫では法人設立のための資本金そのものを融資してもらうことはできません。
法人として申し込む場合は、基本的に会社設立後に法人として融資を申し込むことになります。
そのため、会社設立と創業融資を同時期に考えている場合には、「会社をいつ設立するか」「いつ融資を申し込むか」をあらかじめ考えておくことが重要です。
4.担当者との面談が行われる
申込み後は、日本政策金融公庫の担当者との面談が行われます。
面談などを通じて資金の使い道や事業の状況、創業計画などを確認します。
例えば、
・なぜこの事業を始めるのか
・これまでの経験を事業にどう生かすのか
・商品やサービスを誰に販売するのか
・売上予測の根拠は何か
・必要資金をどのように計算したのか
・自己資金をどのように準備したのか
などについて説明できるようにしておく必要があります。
創業計画書に立派なことを書くことよりも、自分自身の事業について、自分の言葉で具体的に説明できることが大切です。
なお、面談で確認されるポイントについては、
「日本政策金融公庫の創業融資で審査される7つのポイント。通過に向けた準備と注意点」
で詳しく解説しています。
5.面談などを踏まえて審査が行われる
提出書類や面談などを基に、融資の審査が進められます。
創業融資では、まだ会社の決算実績がないケースも多いため、過去の決算書だけで融資判断をすることはできません。
そのため、
・創業する事業とこれまでの経験との関係
・事業内容や収益計画の実現可能性
・自己資金を含めた資金計画
・借入金の返済可能性
・必要資金と資金使途
・事業を行うための準備状況
など、創業計画全体を見ながら判断されることになります。
場合によっては追加資料の提出を求められたり、店舗や事務所などの確認が行われたりすることもあります。
追加資料を求められた場合には、できるだけ速やかに対応した方が審査を進めやすくなります。
6.日本政策金融公庫の審査期間はどのくらい?
日本政策金融公庫では、借入申込みから融資決定までの平均所要日数は「おおよそ2~3週間程度(土日、祝日を含む)」といえます。
そのため、創業融資の場合には、
「申込みから融資決定まで、おおむね2~3週間程度が一つの目安」
と考えておくとよいでしょう。
ただし、これはあくまで平均的な期間です。
融資条件や申込み内容、公庫の支店の混雑状況などによっては、それ以上の期間がかかる可能性があります。
また、ここで注意したいのが、「融資決定=その日に入金される」というわけではないことです。
融資が決まった後にも契約手続きがあり、契約が完了してから指定した金融機関の口座へ融資金が送金されます。
そのため、開業資金が必要になる日から逆算して、余裕を持って準備することをおすすめします。
7.審査に時間がかかることがあるケース
申込みから融資決定までの平均は2~3週間程度ですが、すべての案件が同じ期間で終わるわけではありません。
特に次のような場合には、通常より確認に時間がかかる可能性があります。
必要書類に不足がある
必要な資料がそろっていなければ、追加提出のやり取りが発生します。
見積書や許認可関係の資料など、自分の事業に必要な書類を申込み前に確認しておきましょう。
創業計画書の内容について追加確認が必要になる
売上予測の根拠や必要資金の計算が分かりにくい場合には、担当者から追加の説明や資料を求められることがあります。
特に「なぜこの売上になるのか」「なぜこの金額が必要なのか」は説明できるようにしておくことが重要です。
事業内容や資金使途の確認に時間がかかる
店舗や設備を必要とする事業では、物件や設備の内容について確認が必要になる場合があります。
必要に応じて店舗や事務所を訪問することがあります。
支店が混雑している
融資条件だけでなく支店の混雑状況などによって日数を要する場合があるようです。
したがって、「平均2~3週間だから必ず3週間以内に結果が出る」と考えない方が安全です。
8.審査期間が長いと融資に落ちたということ?
審査結果の連絡がなかなか来ないと、
「審査に落ちたのではないか」
と不安になる方もいるでしょう。
しかし、審査期間が長いという事実だけで、融資の可否を判断することはできません。
確認する資料が多い、追加確認が必要になっている、支店が混雑しているなど、時間がかかる理由はいくつも考えられます。
反対に、審査結果が早いからといって、必ず融資を受けられるというわけでもありません。
審査期間だけから結果を予測するのではなく、公庫から追加資料の提出などを求められた場合には、適切に対応することが大切です。
9.創業融資をスムーズに進めるためにできること
審査期間そのものを申込者が自由に短くすることはできません。
ただし、申込み前の準備を整えることで、書類不足や追加確認による時間のロスを減らすことはできます。
特に確認しておきたいのは次の点です。
・必要書類がそろっているか
・創業計画書の数字に矛盾がないか
・必要資金の根拠を説明できるか
・売上予測の根拠を説明できるか
・自己資金の準備状況を整理しているか
・必要な許認可を確認しているか
・会社設立と融資申込みの順序を整理しているか
「融資を申し込んでから考える」のではなく、申込み前にできるだけ整理しておくことがポイントです。
10.会社設立と創業融資はスケジュールを一緒に考える
これから法人を設立して創業する方は、会社設立と創業融資を別々に考えないことも重要です。
たとえば、
会社設立
↓
法人名義で融資申込み
↓
面談・審査
↓
融資決定
↓
契約
↓
融資実行
↓
設備購入・事業開始
という流れになることがあります。
一方で、店舗契約や許認可、設備発注などが関係する業種では、より複雑なスケジュールになる場合もあります。
「開業予定日から逆算すると、会社はいつ設立すればよいのか」
「融資はどの段階で申し込むのか」
「許認可の準備はいつ始めるのか」
まで含めて考えておくと、創業準備を進めやすくなります。
創業融資・会社設立の準備でお困りの方へ
創業時には、会社設立、創業計画書、融資申込み、許認可など、複数の手続きを同時に進めなければならないことがあります。
「会社設立と融資申込みをどの順番で進めればよいか分からない」
「創業計画書を作ったものの、この内容で説明できるか不安」
「開業予定日に間に合うように手続きを進めたい」
という方は、当事務所までお気軽にご相談ください。
会社設立から日本政策金融公庫の創業融資まで、創業全体のスケジュールを整理しながらサポートいたします。
創業準備に集中できるよう、手続き面から一緒に進めていきます。
