会社を設立する方向で考えているものの、「相談前に何を決めればよいのか」「資料をそろえてから相談した方がよいのか」と迷っていませんか。
会社名や資本金、本店所在地など、すべて決めてから相談する必要はありません。予定している事業と設立希望時期、今迷っていることをお伝えいただければ、具体的な相談を進められます。
当事務所では、会社設立に向けた準備に加え、創業融資や許認可との関係も確認しながら、進め方をご提案します。
この記事では、会社設立を予定している方や、個人事業から法人化する方向で準備したい方に向けて、相談前に確認しておくと役立つ事項をご紹介します。
1.まずは、事業内容・希望時期・相談したいことをお聞かせください
初回相談では、まず次の3点をお伝えください。詳しい事業計画を完成させる必要はありません。
確認すること | 伝える内容の例 |
予定している事業 | 個人事業で行っている内装工事を、法人で続けたい |
設立・開業の希望時期 | 3か月後に会社を設立し、その翌月から営業したい |
相談して決めたいこと | 会社形態や資本金、融資を申し込む時期を相談したい |
「取引先との契約までに会社が必要」「店舗の開店日が決まっている」など、期限がある場合は、その理由もお伝えください。
会社を設立する日と、実際に営業を始める日は、分けて考えることが大切です。口座開設や許認可などに必要な準備も含め、希望する日程に向けて何を進めるかを確認しましょう。
設立までの段取りは、会社設立にかかる期間と設立までの8つのステップで解説しています。
2.相談準備チェックリストに、現在の予定を書き留めましょう
次の表を見ながら、決まっている内容や候補、確認したいことをメモしてみてください。未定の項目は「相談して決めたい」として構いません。
確認する項目 | メモしておくと役立つこと |
事業内容・設立の理由 | 誰に何を提供するか、なぜ法人にするか |
設立・営業開始の希望時期 | 希望する年月、契約などの期限 |
株式会社・合同会社 | 希望する形態、選び方で迷っていること |
会社名 | 候補、読み方、表記 |
本店所在地 | 予定住所、物件の候補や契約状況 |
事業目的 | 設立後すぐに行う事業、将来予定している事業 |
出資者・経営者 | 誰が出資し、誰が代表者や経営者になるか |
資本金・開業資金 | 出資予定額、必要な費用、準備できる資金 |
創業融資 | 利用希望、借入希望額、資金が必要になる時期 |
決算月 | 希望する月、事業上の事情(繁忙期など) |
許認可 | 予定する業務、確認済みの条件や疑問 |
特定創業支援等事業 | 利用予定、受講・証明書取得の状況 |
設立後の予定 | 口座開設、取引先との契約、採用など |
各項目について、次の4つから現在の状況に近いものを選ぶと、相談したい点が分かりやすくなります。
- 決定済み・準備済み
- 検討中・準備中
- 相談して決めたい
- 該当しない
例えば、本店所在地は「検討中」、メモには「自宅と賃貸事務所で迷っている」と書くだけでも、相談の内容が伝わります。
分からない項目を調べて埋める必要はありません。空欄があっても、そのままご相談いただけます。
3.会社の基本事項は、候補の段階でも相談してください
株式会社・合同会社と会社名
会社形態が決まっている場合は、お伝えください。迷っている場合は、取引先の意向や共同経営の予定、将来の事業展開などを伺いながら、どちらが合うかを考えます。
会社名は、候補があれば読み方や表記も含めてメモしておきましょう。名刺やホームページを先に発注する予定がある場合もお知らせください。
本店所在地・事業目的
本店所在地は、自宅、賃貸事務所、店舗など、候補となる場所をお伝えください。具体的な住所が未定でも、希望する地域や物件の種類が分かれば構いません。
定款の「事業目的」は、ご自身で法律的な表現まで完成させる必要はありません。設立後すぐに行う仕事と、将来予定している仕事を分けてお伝えください。
出資者・経営者
共同で設立する場合は、誰がいくら出資し、誰が代表者となり、誰が経営に参加するのかを確認しましょう。話し合いがまとまっていない点は、相談メモに残しておいてください。
資本金・決算月
資本金は、出資できる金額と開業に必要な資金を踏まえて検討します。「出資できるのは○万円だが、事業資金として十分か相談したい」という段階でも構いません。
金額の考え方は、会社設立時の資本金はいくらにする?金額の決め方と創業融資・許認可の注意点をご覧ください。
決算月は、希望する月や繁忙期などの事情があればお伝えください。決め方が分からない場合は、相談しながら検討できます。
4.融資・物件・許認可の予定は、早めにお伝えください
創業融資や許認可が関係する場合は、会社設立だけでなく、契約や支払い、営業開始までの順番を考える必要があります。
次のような予定があれば、決定前でも相談時にお伝えください。
- 店舗や事務所の申込み・契約を進めている
- 内装工事や設備代金の支払期限がある
- 開業資金の一部を創業融資で用意したい
- 許認可が必要か、物件の条件を満たすか分からない
- 設立後すぐに取引先との契約や従業員の採用を予定している
融資を希望する場合は、「いくら借りたいか」に加えて、「いつ、何の支払いに使うか」も確認しておきましょう。
設立と融資の順番については、会社設立と創業融資はどちらが先?日本政策金融公庫への申込みから逆算した進め方で解説しています。
許認可の名称が分からない場合は、具体的な仕事内容と営業場所をお伝えください。会社の基本事項や物件を確定する前に、どのような条件を確認する必要があるかを検討します。
5.特定創業支援等事業の利用予定も確認しましょう
特定創業支援等事業の利用を考えている方は、設立希望時期と併せてご相談ください。
一定の要件を満たす場合、自治体による証明書を取得して会社設立時の登録免許税の軽減を受けられる可能性があります。受講や証明書の取得にかかる期間も含め、設立日程との調整が必要です。
すでに受講している方は、利用している自治体・支援事業、修了予定日、証明書の取得状況をお伝えください。利用するか迷っている段階でも構いません。
制度の内容や利用の流れについては、[特定創業支援等事業とは?会社設立前に知っておきたいメリットと利用の流れ]をご覧ください。創業予定地ごとの受講方法や証明書の申請条件は、23区の各記事から確認できます。
6.相談時の資料は、手元にあるものからで大丈夫です
事業内容のメモ、物件資料、設備や工事の見積書、取引先との契約書案などがあれば、予定を具体的に共有できます。
ただし、資料がそろうまで相談を待つ必要はありません。見積りを取っていない費用や、これから探す物件があれば、その状況をお伝えください。
初回相談のために、印鑑証明書などを一律に取得する必要もありません。正式な手続きに必要な書類は、必要な人や通数、取得時期の案内を受けてから準備しましょう。
7.会社設立に向けて、迷っていることからご相談ください
会社設立を進めたいものの、会社形態、資本金、本店所在地などで迷っている方は、当事務所へご相談ください。
予定している事業と設立希望時期を伺い、現在の準備状況に合わせて、次に決めることや先に確認することをご案内します。創業融資や許認可が関係する場合は、それらも含めて進め方をご提案します。
ご相談の際は、次の3点を分かる範囲でお伝えください。
- どのような事業を行う予定か
- いつごろ会社を設立したいか
- 今、特に相談したいことは何か
チェックリストがすべて埋まっていなくても大丈夫です。現在の予定を出発点に、会社設立に向けた準備を一緒に進めましょう。
会社設立の準備には是非こちらのチェックリストをご利用ください。
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