行政書士の田中さん

Web制作・Webマーケティングで創業融資を受けるには?審査で押さえたいポイントを解説

Web制作やWebマーケティングは、パソコンやインターネット環境があれば比較的少ない資金で始められるため、独立・開業しやすい業種の一つです。

一方で、創業融資を申し込む場合には、

・どのようなサービスを提供するのか
・どのように顧客を獲得するのか
・どの程度の売上を見込むのか
・なぜ融資が必要なのか

といった点を具体的に説明する必要があります。

特にWeb制作・Webマーケティングは、店舗型の事業と比べて売上の根拠が見えにくいため、これまでの経験や受注単価、営業方法などを数字に落とし込むことが重要です。

この記事では、Web制作・Webマーケティングで独立・開業し、創業融資を検討している方に向けて、事業計画を作る際のポイントを解説します。

1.少ない資金で始められても創業融資を利用する意味はある

Web制作・Webマーケティングでは、飲食店や小売店のような店舗や大型設備を必要としないケースが多くあります。

主な創業時の費用としては、

・パソコンやモニター
・ソフトや各種ツールの利用料
・事業用の事務所やコワーキングスペースなどの賃借費用
・自社サイトの制作費
・広告宣伝費
・制作等を外部へ委託する場合の外注費
・その他、事業開始後に必要となる運転資金

などがあります。

自宅にて一人で始める場合には、比較的少ない資金で開業できます。

しかし、開業後すぐに十分な受注を確保できるとは限りません。

売上が安定するまでの広告費や外注費、固定費などを考えると、事業開始時にある程度の運転資金を確保しておくことには意味があります。

そのため創業融資では、「開業にいくら必要か」だけでなく、「売上が安定するまでにいくら必要か」という視点で資金計画を考えることが大切です。

※実際に融資対象となるかは、事業との関連性や必要性、金額等を踏まえて個別に判断されます。

2.売上予測は「単価×件数」で具体的にする

Web制作・Webマーケティングの創業融資で重要なのが、売上予測の根拠です。

例えばWeb制作であれば、

ホームページ制作40万円 × 月2件 = 80万円
保守管理2万円 × 10社 = 20万円
合計 月商100万円

というように考えられます。

Webマーケティングであれば、

SEO支援10万円 × 5社 = 50万円
広告運用支援8万円 × 4社 = 32万円
合計 月商82万円

といった形です。

単に「月商100万円を予定しています」とするよりも、

・1件あたりの単価
・月間の受注件数
・継続契約の件数

まで分解した方が、計画の根拠を説明しやすくなります。
売上を大きく見せることより、現実的な数字を積み上げることが重要です。

3.これまでの経験や実績を整理する

Web制作・Webマーケティングでは、創業者本人の経験が事業の大きな基盤になります。

例えば、

・Web制作会社での勤務経験
・Webデザイナーとしての経験
・ディレクターとしての経験
・SEOや広告運用の経験
・SNS運用の経験
・副業としての受注経験

などです。

「Web制作の経験があります」とだけ説明するのではなく、

「制作会社で5年間勤務し、企業サイトを30件程度担当した」
「広告運用を3年間担当し、複数の顧客案件を経験した」

といった形で具体的に整理すると、創業計画の説得力が高まります。

Web制作であればポートフォリオ、Webマーケティングであれば広告運用やアクセス改善などの実績を整理しておくことも有効です。

4.顧客をどのように獲得するのかが重要

Web関連事業では、技術や知識があっても、仕事を受注できなければ売上にはつながりません。
そのため、創業融資の事業計画では顧客獲得方法を具体的にしておく必要があります。

例えば、

・前職からの人脈
・既存顧客からの紹介
・自社ホームページ
・SEOによる集客
・SNS
・Web広告
・制作会社からの外注案件
・クラウドソーシング

などがあります。

特に、

「すでに相談を受けている顧客がいる」
「前職の取引先から仕事を受ける予定がある」
「継続的に案件を紹介してくれる制作会社がある」

といった状況があれば、売上予測の裏付けになりやすくなります。
見積書や発注予定などがある場合には、それらも事業計画を説明する材料になります。

5.外注費を含めて収支を考える

Web制作では、すべての作業を自分一人で行うとは限りません。

例えば、

・デザイン
・コーディング
・ライティング
・動画制作
・システム部分の開発

などを外注するケースがあります。
仮に売上が月100万円あっても、外注費が40万円かかれば、残る金額は変わります。

そのため、

売上100万円- 外注費40万円= 60万円

というように、売上だけでなく外注費まで含めて収支を考える必要があります。
Web関連事業では売上高が大きくても外注比率が高いことがあるため、創業計画では「いくら売るか」と同時に「いくら残るか」を整理しておきましょう。

6.Webマーケティングでは広告費の考え方も重要

自社の顧客獲得にWeb広告を利用する場合には、広告費も資金計画に含めます。

例えば、

月10万円の広告費

問い合わせ5件

商談3件

契約1件

というように、広告から契約までの流れを考えておくと、計画がより具体的になります。
「広告を出せば顧客が増えるだろう」というだけではなく、

・広告費はいくら使うのか
・何件の問い合わせを見込むのか
・何件程度の契約につなげるのか

まで考えることが大切です。
過去に副業や勤務先で集客を経験している場合には、その実績も参考になります。

7.継続契約を組み合わせると売上計画を作りやすい

Web制作は、1件あたりの売上が比較的大きい反面、月によって受注件数が変動しやすい事業です。

そこで、

・Webサイトの保守管理
・更新作業
・SEO支援
・Web広告運用
・SNS運用
・Webコンサルティング

などの継続契約を組み合わせる方法があります。

例えば、

Web制作 月60万円 + 保守・マーケティング契約 月30万円

という形であれば、一定の継続売上を確保しながら新規案件を獲得する事業モデルになります。
単発案件だけでなく、毎月発生する売上をどの程度作れるかも考えておくと、創業後の見通しが立てやすくなります。

8.入金までの期間を考えて運転資金を準備する

Web制作では、仕事を受注してもすぐに代金が入金されるとは限りません。

例えば、

契約

制作開始

納品

翌月末入金

という流れであれば、契約から入金まで数か月かかることもあります。
その間にも、

・外注費
・広告費
・ソフト利用料
・事務所費用

などの支払いは発生します。
そのため、「受注できれば大丈夫」と考えるのではなく、実際に入金されるまでの期間を考慮して運転資金を準備しておくことが重要です。

9.日本政策金融公庫などの創業融資を検討する

Web制作・Webマーケティングで開業する場合、日本政策金融公庫などの創業者向け融資を検討する方法があります。

創業融資を申し込む際には、

・創業の動機
・これまでの経験
・サービス内容
・顧客獲得方法
・取引先
・必要な資金
・売上予測
・経費

などを整理します。

特にWeb制作・Webマーケティングでは、

「どのような経験があるのか」
「どこから顧客を獲得するのか」
「いくらで何件受注するのか」

を具体的に説明できるようにしておくことが重要です。

創業融資を考え始めた方へ。まずは日本政策金融公庫を知っておきましょう

日本政策金融公庫の創業融資を利用するメリットとは?

まとめ|Web制作・Webマーケティングの創業融資は売上の根拠が重要

Web制作・Webマーケティングは、比較的少ない資金で始められる業種ですが、創業融資では事業の見通しを具体的に説明する必要があります。

特に整理しておきたいのは、

1.これまでの経験・実績
2.受注単価と受注件数
3.顧客を獲得する方法
4.外注費や広告費
5.継続契約の見込み
6.売上が安定するまでの運転資金

です。

「Web制作ができる」「Webマーケティングの知識がある」というだけではなく、それをどのように受注につなげ、継続的な事業にしていくのかまで整理しておきましょう。

Web制作・Webマーケティングで創業融資をお考えの方へ

Web制作・Webマーケティングは初期費用を抑えて始めやすい反面、創業融資では売上予測や資金の使い道を具体的に説明することが重要です。

当事務所では、Web制作・Webマーケティングで独立・開業を予定している方の創業融資に向けた事業計画の整理をサポートしています。

「どの程度の融資を申し込めばよいのか分からない」
「売上予測の根拠をどのように作ればよいか分からない」
「これまでの経験を創業計画書にどうまとめればよいか迷っている」

という方は、創業前の段階でもご相談ください。

事業内容、これまでの経験、受注予定、必要資金などを確認しながら、創業融資に向けた準備を一緒に整理いたします。

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