創業融資を利用して開業したいものの、「何から準備すればよいのか」「今の段階で相談してよいのか」と迷う方も多いのではないでしょうか。
創業融資の準備では、書類を集めるだけでなく、必要なお金、事業の見通し、開業までの段取りを整理することが大切です。
この記事では、日本政策金融公庫の創業融資を中心に、申込前に確認したい項目を5つに分けて解説します。チェックリストとあわせて、ご自身の準備状況の確認にお役立てください。
すべての項目が決まっていなくても、ご相談いただけます。分からない部分や準備中の項目を把握することから始めましょう。
1.まずはチェックリストで準備状況を確認しましょう
チェックリストには、開業の段取りから売上の見込みまで、20項目をまとめています。
各項目について、次のいずれかを選んでください。
- 確認済み
- 準備中
- 分からない・相談したい
- 該当しない
「分からない・相談したい」にチェックした項目は、相談時に確認するテーマになります。
このチェックリストは、融資の可否を点数で判定するものではありません。準備できていることと、これから整理することを把握するための資料です。
パソコンで直接入力する方はExcel版、印刷して記入する方はPDF版をご利用ください。
2.開業の段取り|開業日と資金が必要な日を分けて考える
最初に確認したいのは、開業希望日と、実際にお金を支払う時期です。
例えば、飲食店では開業前に物件の契約費用や内装工事費が発生します。開業日に融資金が間に合えばよいとは限らないため、主な支払日を書き出しておきましょう。
あわせて、次の点を確認します。
- 個人事業と法人のどちらで始めるか
- 法人の場合、会社設立をどこまで進めているか
- 店舗・事務所の候補と契約状況
- 必要な許認可や届出、取得までの予定
特に、物件契約・会社設立・許認可・融資の準備は、相互に関係します。契約や支払いを進める前に、全体の順番を整理しておくことが大切です。
融資が希望額や希望時期に届かない場合に備え、契約条件や開業時期の調整余地も確認しておきましょう。
会社設立と融資の準備をどの順番で進めるかは、「会社設立と創業融資はどちらが先?日本政策金融公庫への申込みから逆算した進め方」で詳しく解説しています。
3.必要資金|開業費用と開業後のお金を整理する
「いくら借りたいか」を考える前に、「何にいくら必要か」を整理します。
分類 | 確認する費用の例 |
開業準備・設備の費用 | 内装工事、機械、車両、什器、備品など |
開業後の運転資金 | 仕入れ、家賃、人件費、外注費、広告費など |
設備などの金額は、見積書で確認しましょう。公庫では、設備資金を申し込む場合に見積書の準備が必要です。
開業後の費用は、売上が安定するまでの期間や、代金が入金されるまでの時間も踏まえて考えます。
また、すでに支払った費用と、これから支払う費用を分け、支払い済みのものは領収書や振込記録などを保管しておきましょう。支出済みの費用を融資でまかなう前提にする場合は、申込前に取扱いを確認する必要があります。
4.自己資金・借入|事業に使えるお金を把握する
自己資金は、預金残高だけを見るのではなく、生活費として残すお金と分けて考えます。
例えば、預金が200万円あっても、そのすべてを開業費用に使えるとは限りません。開業後の生活に必要なお金を確保したうえで、事業に使える金額を整理しましょう。
自己資金をどのように用意したかも、通帳の履歴などで説明できるようにしておきます。別の口座から移したお金や、家族から援助を受けたお金がある場合は、その経緯も整理します。
住宅ローンや自動車ローンなど、現在の借入については、残高と毎月の返済額を確認してください。
最後に、必要資金の合計と、自己資金・借入などで用意する金額の合計が一致するかを確認します。家族などから借りるお金は、返済不要の資金と分けて記載しましょう。
自己資金に不安がある方は、「日本政策金融公庫の創業融資で自己資金が少ない場合の対策。審査に向けた7つの準備」もご覧ください。
5.事業の内容|経験・商品・集客方法を具体的にする
創業計画では、「どのような事業を、どのように進めるか」を説明できることが大切です。
次の内容を、ご自身の言葉で整理してみてください。
確認すること | 整理する内容 |
創業の理由と経験 | なぜ始めるのか、これまでの経験をどう活かすか |
商品・サービス | 誰に、何を、いくらで提供するか |
選ばれる理由 | 品質、専門性、利便性など、具体的な強み |
集客・営業 | 紹介、訪問営業、ホームページ、SNSなどの方法 |
取引先 | 販売先・仕入先・外注先の候補と交渉状況 |
取引先については、契約済み・交渉中・これから開拓する先を分けます。希望や見込みを、確定した取引として扱わないことが大切です。
契約書や注文書など、事業の見込みを説明できる資料がある場合は、相談時に確認できるようにしておきましょう。
6.売上・資金繰り|数字の根拠と入出金の時期を確認する
売上の見込みは、目標額に加えて計算の根拠を整理します。
例えば、店舗なら「客単価×客数×営業日数」、受託サービスなら「契約件数×1件あたりの単価」など、ご自身の事業に合う方法で考えます。
その数字が、営業時間、人員、受注の見込みなどと合っているかも確認しましょう。
また、売上が発生しても、代金がすぐ入るとは限りません。売上代金の入金前に仕入れや外注費の支払いがある場合、その間をまかなうお金が必要になります。
毎月の経費と借入返済を踏まえ、手元資金が不足する時期がないかを確認してください。売上が予定を下回る場合も考え、費用の削減や開業規模の調整など、対応方法を検討しておきましょう。
事業経験や売上予測などを審査に向けてどう整理するかは、「日本政策金融公庫の創業融資で審査される7つのポイント。通過に向けた準備と注意点」で解説しています。
7.書類は「相談用」と「申込時の提出用」を確認する
初回相談では、作成途中の創業計画書や見積書、候補物件の資料など、現在用意できるものを整理しておくと、相談内容が具体的になります。
一方、申込時に提出する書類は、個人・法人、事業の状況、利用する制度などによって異なります。
公庫への申込みでは、創業計画書、本人確認書類、送金先口座の資料、法人の場合の履歴事項全部証明書などを準備します。許認可証は、これから取得する予定の場合、申込時点では準備不要とされています。
許認可証を申込時に提出しなくてよい場合でも、営業開始に必要な手続きと取得予定は整理しておきましょう。
準備の先にある面談・審査・契約・入金の流れについては、「日本政策金融公庫の創業融資の審査の流れと審査期間。申込から入金までを解説」をご覧ください。
8.準備中の段階からご相談ください
チェックリストを記入すると、「自己資金は分かるが、運転資金を計算できていない」「物件は決まったが、会社設立と許認可の順番が分からない」といった課題が見えてきます。
当事務所では、会社設立と創業融資をあわせて検討している方に向けて、開業までの段取りや創業計画書の準備をサポートしています。
何から始めればよいか迷っている方も、開業予定や現在の準備状況をお聞かせください。チェックリストの「分からない・相談したい」項目から、一緒に整理していきます。
30秒で簡単!会社設立タイプ診断
あなたに合うのは
「合同会社」?「株式会社」?
6つの質問に答えるだけで、あなたの事業プランに合った法人形態の目安が分かります。
1 / 6
会社の設立費用について、どちらの考え方に近いですか?
2 / 6
取引先や金融機関からの見え方をどれくらい重視しますか?
3 / 6
経営の意思決定はどう進めたいですか?
4 / 6
決算内容を毎年公告する義務について、どう感じますか?
5 / 6
役員の任期・再任手続きについて、どう考えますか?
6 / 6
将来の資金調達やIPO・事業承継の予定はありますか?
診断結果を計算しています…
