足立区は北千住を中心に交通の便がよく、都心より固定費も調整しやすい地域です。加えて起業向けの支援もあるため、動きやすさと始めやすさを両立しやすいエリアと言えます。
そして起業を進めようと考えたときに「定款の認証手続きはどこでするの?」「創業するのに融資を受けるには?」といった、実務的な疑問にぶつかるはずです。
この記事では、足立区で起業する際に知っておくべき手続きの管轄情報や、足立区ならではのメリット、活用すべき支援制度について解説します。
足立区で会社設立をする3つのメリット

なぜ、近年若い世代方々も「足立区」で設立を考えるのでしょうか。その理由は大きく3つあります。
① 「北千住」を軸に、都心にも郊外にも動線が作りやすい
北千住は、鉄道の乗換え・分岐が強いターミナルで、通勤や現場対応の多い業種ほど営業活動に恩恵が出ます。
② 大きな生活圏=人材・顧客の“母数”が大きい
足立区は人口が70万人規模で、近年は若い世代の増加にも触れられています。地域の母数が大きいと、店舗型・訪問型・採用型ビジネスで特に強みになります。
③ “暮らしの街”の需要が厚く、生活密着型ビジネスと相性が良い
住宅地が広く、日常需要(修理・清掃・介護・教育・美容など)が途切れにくいのが足立区の底力です。人口の厚みは、リピート型サービスの安定につながります。
2. 【保存版】足立区の会社設立・管轄リスト
ここが最も重要です。会社設立には「定款認証」「登記申請」が必要ですが、手続先の“勘違い”が一番起きやすいポイントです。特に法人登記(法務局)は「足立区=足立区内の役所」ではなく、管轄出張所に申請するため注意が必要です。
| 手続き | 機関名 | 所在地・注意点 |
|---|---|---|
| 定款認証 | 千住公証役場 | 足立区千住旭町40-4) |
| 法人登記 | 東京法務局(城北出張所) | 【注意】葛飾区小菅4-20-24 ※会社の設立登記は葛飾区にある城北出張所が管轄です。 |
プロのアドバイス:
① 定款認証は東京都内のいずれの公証役場であれば認証ができます。
②合同会社設立の場合は、定款認証を受ける必要は、ありません。
3. 足立区で利用できる「創業融資」
会社設立時には、事業を軌道に乗せるための資金確保が欠かせません。足立区には区が主導する「足立区創業資金(開業)」と日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」という創業融資があります。
| 名 称 | 機関名 | 所在地・注意点 |
|---|---|---|
| 足立区創業資金(開業) | 足立区役所(産業経済部企業経営支援課相談・融資係) | 足立区中央本町1-17-1 |
| 新規開業・スタートアップ支援資金 | 日本政策金融公庫(千住支店) | 足立区千住仲町41-1 |
一般的な融資よりも低金利で借りられるため、自己資金だけでスタートする予定の方も、一度検討してみる価値があります。
※足立区創業資金(開業)では、区内に営業実態があること(住所や登記が区内であっても、実質的な事業活動が区外の場合は申込できません)。
▼足立区の創業融資制度についての詳細はこちら
https://lp.chuo-office.com/sub-yushi1-71/
4. 登録免許税が半額に?「特定創業支援等事業」
これから会社を設立する方に絶対に知っておいてほしいのが、「特定創業支援等事業」です。
これは、足立区が実施する「創業セミナー」や「個別相談」を一定期間受けることで、区から証明書が発行される制度です。この証明書があると、会社設立時の登録免許税が半額になる(株式会社なら最低15万円→7.5万円)という大きなメリットがあります。(他にも様々なメリットがあります。)
ただし、登録免許税の減額には設立登記をする「前」に受講を完了させる必要があります。「知らなかった」では済まされない大きな節約ポイントですので、スケジュールには余裕を持ちましょう。
▼特定創業支援等事業の受け方・メリット詳細はこちら
https://lp.chuo-office.com/chuo-sogyo-shien/https://www.city.adachi.tokyo.jp/chusho/30-sougyoshienjigyokeikaku.html
5. 足立区のオフィス事情(賃料・エリアの特徴など)

足立区は、多面的な商業・住宅等のエリアがあるので、エリアを細かく見れば選択肢は豊富です。
- 北千住は“駅力”重視の拠点向き: 来客・採用・打合せが多い事業は北千住周辺が便利。その分、区内でも賃料は上がりやすい傾向です。
- コスト重視なら北千住以外の駅勢圏で幅が出る: 綾瀬・北綾瀬など、駅や立地条件を広げると物件の選択肢が増え、賃料も調整しやすくなります
- 現場・倉庫・配送型は“駅距離より車導線”で決める: 搬入・訪問・配送が多い業種は、首都高6号三郷線(加平など)へのアクセスを含め、道路動線を優先すると運用が安定しやすいです。
まとめ:足立区での設立は「管轄」と「事前準備」が鍵
足立区での会社設立は、北千住を軸にした交通の強さと、オフィスコストを調整しやすい点が魅力です。手続き先(公証役場・法務局・融資窓口)を最初に整理し、無理のない拠点と資金計画でスタートすることが成功の近道になります。
ご自身で手続きを行う際は、管轄間違いによるタイムロスに十分ご注意ください。 もし「手続きが不安」「事業計画に集中したい」という場合は、足立区エリアに詳しい専門家(行政書士、司法書士や税理士)への依頼も検討してみてください。

