目黒区は、中目黒や自由が丘のように発信力のある街と、祐天寺・学芸大学・都立大学のように住宅地に根ざした商店街が近い距離で共存するエリアです。さらに、目黒通りには30軒以上のインテリアショップが集まる「目黒インテリアストリート」もあり、飲食・小売・美容・デザイン系の創業とも相性のよい地域といえます。
ただ、目黒区内で起業する場合も、物件取得費、内装費、設備資金、広告宣伝費、開業初期の運転資金など、売上が安定する前にまとまった資金が必要になります。
そこで検討しやすいのが、目黒区の制度融資である「中小企業創業支援資金融資(創業)」と、日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」です。
目黒区の制度融資は「中小企業創業支援資金融資(創業)」があります。
目黒区で創業時にまず確認したいのは、区の融資あっせん制度の中の「中小企業創業支援資金融資(創業)」です。
・区内に主たる事業所を置いて創業しようとする方、または創業後1年未満の方が対象
・融資限度額は1,000万円以内
・利率は年1.8%以内で、区補助を差し引いた本人負担は0.2%以内
・返済期間は運転・運転設備併用で7年以内、設備で9年以内(据置1年)
この制度の特徴は創業前の申込みには自己資金要件があることです。創業前の申込区分では、融資希望額と同額以上の自己資金と具体的な計画を求めており、個人は2か月以内、法人は3か月以内に創業できることが要件に入っています。
目黒区の制度融資は、低い本人負担利率が魅力ですが、「自己資金の確保」という準備の中身もきちんと見られる制度だといえます。
日本政策金融公庫は「金額」と「動きやすさ」で見ておきたい
一方、日本政策金融公庫(以下、公庫)の新規開業・スタートアップ支援資金は、
・事業を始める方、または事業開始後おおむね7年以内の方が利用できる制度です。
・融資限度額は7,200万円
・返済期間は設備資金20年以内、運転資金10年以内、(据置期間は5年以内)
・基準金利は3.4%
目黒区の制度融資と比べると、必要資金が大きい案件や、設備投資を長めの返済で組みたい案件に合わせやすい制度です。
また、日本政策金融公庫は、借入申込から融資決定までの平均所要日数を2~3週間程度とされています。もちろん案件によって前後しますが、開業日が決まっている方や、物件契約・内装・設備導入のスケジュールを先に押さえたい方にとっては、全体の見通しを立てやすいのが公庫の強みです。
目黒区の制度融資は「相談を重ねて進める融資」
目黒区の制度融資は、いきなり金融機関へ申し込むのではなく、まず商工相談所で予約のうえ相談し、さらに必要書類をそろえて2回目の来所で申込みをする流れです。区の案内でも、商工相談所で2回来所が必要と明記されており、創業支援資金では区所定の創業計画書を使って進めます。
その後、あっせん書を取扱金融機関へ提出し、必要に応じて信用保証協会の審査を経て融資実行に進みます。融資実行までは、あっせん書の交付から実際に融資を受けるまで通常1か月程度、中小企業創業支援資金融資で許認可等を必要とする場合は2か月程度かかるとされています。つまり、目黒区の制度融資は、金利面の魅力はあるものの、実務上はある程度時間を見て進める制度です。
このため、目黒区の制度融資は、条件を抑えながら丁寧に準備したい方に向いています。反対に、開業日がある程度決まっている場合や、資金実行の時期を早めに見込みたい場合は、制度の流れから考えても、日本政策金融公庫を先に検討したほうが組み立てやすい、といえます。
実践めぐろ創業塾は、公庫を使う方にも意味がある
目黒区の特定創業支援等事業は、「実践めぐろ創業塾」です。区の創業支援等事業計画では、年3回、春季・冬季の2回コースと、秋季の兼業・副業型コースを実施すると案内しています。修了者には、申請に基づいて証明書が発行されます。
この証明書があると、会社設立時の登録免許税の軽減、創業関連保証の特例、そして日本政策金融公庫の新規開業・スタートアップ支援資金の特別利率といったメリットがあります。さらに、実践めぐろ創業塾の修了者には目黒区中小企業創業資金融資(創業)の融資限度額の特例があります。
ここが目黒区の記事で大事なポイントです。実践めぐろ創業塾は、区の制度融資を使う人だけのものではありません。最終的に日本政策金融公庫を利用する予定でも、先に創業塾を受けておく意味があります。公庫の利率優遇につながることになります。
さらに、創業塾の修了者について、ビジネスチャレンジ補助金の申請資格が付与されることになります。融資だけでなく、創業後の補助制度につながる導線がある点は、目黒区らしい特徴です。
目黒区らしさは「商店会」との相性も見ておきたい
目黒区の創業支援で他区と少し違うのは、商店会とのつながりを前向きに打ち出していることです。目黒区には60を超える商店会があり、商店会加入には情報交換やビジネスチャンスの広がり、地域との接点づくりといったメリットがあるとされています。
しかも、区の融資あっせん制度では、商店会加入者に対して利子補助を上乗せし、本人負担を引き下げるとされています。目黒区で飲食店、小売店、美容室、生活サービス業など、地域の商店街と相性のよい業種で創業するなら、融資だけでなく、どの街でどう根づくかまで考えておくと、目黒区らしい進め方になります。
創業融資とあわせて見ておきたい目黒区の支援
目黒区の創業支援としては、創業相談、ビジネスチャレンジ補助金、インキュベーションオフィス利用補助金、女性・40代起業セミナーなど、融資の前後を支えるメニューも用意されています。創業相談では、中小企業診断士が状況に応じて区や関連機関の支援事業を案内し、助言を行うとされています。
そのため、目黒区で創業する場合は、制度融資か公庫かを単独で考えるより、創業相談 → 実践めぐろ創業塾 → 制度融資または公庫という流れで考えたほうが進めやすいです。特に、開業スケジュールが詰まっている方は、公庫を軸にしつつ、創業塾や補助制度を組み合わせる形が現実的です。これは、目黒区の支援メニューの並び方からみても自然な進め方だといえます。
まとめ|目黒区の創業融資は「街との相性」と「開業時期」で考えたい
目黒区の制度融資は、本人負担0.2%以内という条件面の魅力があり、特定創業なら融資限度額の特例もあります。その一方で、創業前申込みでは自己資金要件があり、相談から金融機関審査まで段階を踏むため、時間を見て進める必要があります。
これに対して日本政策金融公庫は、融資限度額が大きく、平均所要日数も2~3週間程度とされているため、開業日が決まっている方や、まとまった資金が必要な方には使いやすい選択肢です。目黒区では実践めぐろ創業塾の証明書が公庫の特別利率にもつながるため、全体としては、目黒区の支援を受けながら、公庫も早めに検討する流れが相性のよい進め方だと思います。
▼東京都目黒区で会社設立を考えている方はこちら
https://lp.chuo-office.com/meguro-setsuritsu
▼東京都目黒区で登録免許税等の支援を考えている方はこちら
https://lp.chuo-office.com/meguro-sogyo-shien/
目黒区で創業融資をご検討の方へ
目黒区での創業融資は、制度そのものの比較だけでなく、どの街で始めるのか、いつ開業したいのか、商店街との相性があるのかによって、選び方が変わってきます。制度融資と日本政策金融公庫のどちらが合うか迷う場合は、早めに全体の流れを整理しておくことが大切です。
当事務所では、目黒区での会社設立と創業融資の進め方をまとめて整理したい方のご相談を承っています。目黒区で創業をご検討中の方は、お気軽にお問い合わせください。
