上野・浅草・蔵前といった個性豊かな街が集う台東区は、昔ながらのものづくりと新しい感性が交差するまち。そんな台東区で「自分のビジネスを始めたい」と思ったとき、最初に考えるべきことの一つが資金調達＝創業融資です。
でも、「創業するにあたりどのような融資を使えばいいの？」「保証料？利子補給？何がどう違うの？」という方も多いはず。
本記事では、台東区独自の「開業支援資金（通称：台開）」と、政府系の金融機関である日本政策金融公庫の創業融資制度を比較しながら、あなたに合った活用方法をわかりやすく解説します。
なぜ今、創業融資が重要なのか？
事業を始めるとき、売上が安定するまでにはどうしても“時間”がかかります。
しかし、オフィスや店舗の初期費用、設備投資、広告宣伝など、スタート時点での支出は避けられません。
ここで創業融資をうまく活用するかどうかが、事業の滑り出しを左右します。
特に「時間を味方にできるかどうか」が、創業者の命運を分けるのです。
今回いつくかの台東区の創業融資がある中で、おすすめの創業融資を２つ御紹介します。
まず知っておきたい２つの創業融資の基礎知識
- 台東区の「開業支援資金（台開）」とは？
台東区が実施している制度融資のひとつで、いわゆる「台東区×信用保証協会×金融機関」が三位一体となって連携することで新宿区による金利負担と保証料補助といった支援が受けられる融資です。
主な対象者は、事業を営んでいない個人（※）で、個人または法人で創業しようとする方、事業を営んでいない個人（※）が、個人または法人で創業し、創業後1年未満の方
※事業所得で確定申告していない方
台開の特徴
- 区からの“あっせん”を受けることで様々な支援を受けられる融資制度
- 区が利子を補助（利子補給）することで、実質金利がなく本人負担0%
- 信用保証料の補助制度もあり、保証料を区が全額補助
- 融資の上限は1,000万円（自己資金の3倍程度の範囲内）
注意点
- 商工相談員との面談が必須（複数回：原則3～4回）
- 商工相談員との面談開始から融資実行まで通常2～3か月かかります。
- 信用保証協会の保証が前提となる（必要書類も多い）
- 日本政策金融公庫の「新規開業資金」「スタートアップ支援資金」とは？
国が100％出資する政府系金融機関（日本政策金融公庫／通称「公庫」）が提供する創業者向けの融資です。
書類・面談を中心に柔軟に審査されるため、起業初期の方でも比較的申請しやすく、担保・保証人が原則不要である点も大きなメリットです。
📌 公庫融資の特徴
- 運転資金＋設備資金あわせて最大7,200万円まで融資可（うち運転資金4,800万円）
- 長期返済が可能（設備資金20年以内、運転資金10年以内）
- 面談重視の審査で、創業計画書の完成度が鍵
- 保証料不要・保証人不要（原則）
✅ 注意点
- 金利はおおむね2.8%〜4.2%（一定条件で優遇あり）
比較表で制度を一目で整理！
|
項目 |
台東区開業支援資金（台開） |
日本政策金融公庫 新規開業資金 |
|---|---|---|
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対象者 |
台東区で創業・創業後1年未満 |
全国対象・創業後7年未満 |
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融資限度額 |
最大1,000万円（但し、自己資金額3倍程度の範囲内） |
最大7,200万円（設備含む） |
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金利 |
実質負担 0％ |
2.8%〜4.2%（条件で減額可） |
|
保証料補助 |
あり（全額補助） |
保証料なし |
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担保・保証人 |
保証人が必要な場合あり |
原則不要 |
|
返済期間 |
700万円以内 7年以内（内据置12ヶ月以内） 700万円超 9年以内（内据置12ヶ月以内） |
設備20年、（据置5年以内）運転10年（据置5年以内） |
|
申請方法 |
区の面談＋信用保証協会の審査 |
公庫の面談 |
各制度のポイントをさらに深掘り！
◆ 台東区の開業支援資金（台開）の良い点と気になる点
良い点：
- 金利の実質負担０％
- 保証料の全額補助
- 商工相談員の面談により事業計画等のアドレスを受けられる。
気になる点：
- 面談が複数回必要になるなど、融資実行までにがかかる（2～3ヶ月）
- 金額が少なめ（上限が1,000万円で自己資金の3倍程度の範囲内）
- 保証人が必要な場合がある
◆ 公庫の新規開業資金の良い点と気になる点
良い点：
- 高額融資（設備資金など）にも対応
- 原則無担保・無保証人で融資
- 融資までの実行が比較的速い（3～4週間）
気になる点：
- 金利が比較的高い（2.8％以上）
どちらの制度を選ぶか？
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こんな方におすすめ |
利用すべき制度 |
|---|---|
|
早く融資を受けたい |
公庫の制度 |
|
高額な設備投資が必要 |
公庫の制度 |
|
あっせんのサポートが欲しい |
新宿区の制度（職員等が面談） |
|
担保・保証人が難しい |
公庫の制度 |
各制度のポイントをさらに深掘り！
◆ 台東区の開業支援資金（台開）の良い点と気になる点
良い点：
- 金利の実質負担０％
- 保証料の全額補助
- 商工相談員の面談により事業計画等のアドレスを受けられる。
気になる点：
- 面談が複数回必要になるなど、融資実行までにがかかる（2～3ヶ月）
- 金額が少なめ（上限が1,000万円で自己資金の3倍程度の範囲内）
- 保証人が必要な場合がある
◆ 公庫の新規開業資金の良い点と気になる点
良い点：
- 高額融資（設備資金など）にも対応
- 原則無担保・無保証人で融資
- 融資までの実行が比較的速い（3～4週間）
気になる点：
- 金利が比較的高い（2.8％以上）
ほかにもある台東区の支援制度
創業融資を受ける際に、台東区が実施する「特定創業支援等事業」を受けることも大きなメリットになります。
これは、主催事業者による創業塾を通じて、経営、財務、人材育成、販路開拓の4分野の知識を学ぶことにより優遇措置を受けられる支援制度です。
【したまちTAITO創業塾】
開催時期：8月～12月頃（全5回）
受講料：1万円（全5回分）
主催：（公財）台東区産業振興事業団
問合わせ先：経営支援課 企業・人材育成担当 TEL 5829-4124
令和7年度の募集は終了しました。
【たいとう朝日創業塾】
開催時期：10月～11月頃（全4回）
受講料：無料
主催：朝日信用金庫
問合わせ先：お客さまサポート部 TEL 3862-0668
最後に ― 融資は「本気度」と「準備」で決まる
創業融資は、お金を借りる行為であると同時に、事業の信頼性を証明する行為でもあります。
だからこそ、
・数字に裏付けられた計画
・自分の強みと市場の関係
・何のためにその資金を使うのか
…これらを明確に伝えることが、審査通過の鍵になります。
専門家からの一言アドバイス
「やってみたい」ではなく「やると決めた」あなたへ。
創業計画書の作成から、融資面談の準備、制度の選定まで――私たちはあなたの“想い”を“資金に変える”お手伝いをします。
迷ったら、まずはご相談ください。あなたのスタートアップを、全力でサポートします。